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anime バイオリンキット製作手順

■いよいよ ニス塗りフィッティング です



★製作手順-その(2)

■ニス塗り

工房ミネハラでは、皆様に本格的なバイオリン製作を楽しんで頂けるように、バイオリン用ニスセットを豊富に用意しております。 市販の日曜大工用のニスでも仕上げられますが、バイオリン独特の木目を浮き立たせる透明感のある仕上げをするには、このバイオリン用ニスセットをお薦めいたします。

バイオリン用ニスセット 各二スセットについて、詳しくはこちらをご覧下さい。

工房ミネハラ オリジナルセット ミニオイルニスセット #MVS-2

 バイオリンを1-2本製作し、ニスを塗るのに、最低限必要な物をセットにした、エコノミータイプのミニニスセットです。
ニスはドイツのニスメーカーの オイルニスがセットとなっております。 パッケージの容器などは写真と異なることが有ります。

(セット内容)

ゼラチンパウダー(目止め用)、アニリン系粉末着色剤(3色;Golden Yellow, Red Brown, Warm Brown)、
下地塗りニス(透明)、着色塗り用(red-brown)の2種類のニス、 オイルニスうすめ液(Balsam Turpentine)、トリポリ(磨き粉)、ポリッシュオイル、ニス塗り説明書・・・ノーハウ ”アルコールニス塗りの秘訣” 付き(工房ミネハラオリジナル) (ニス塗りの手引きをご覧下さい)

下地塗りニス(透明)は、着色塗り用(red-brown)を塗った後のカバーバーニッシュとしても塗ります。

ニス塗り後の刷毛は、ニスが乾いてしまわないうちにテレピン油 か 石鹸でよく洗えば綺麗になります。

Imprimtura Dorata #ID-1  詳しい説明は、こちらをご覧下さい

スプルースの白木の部分を金色に、冬目の部分をオレンジ系レッドブラウンに着色し、光沢ある塗装皮膜を作る、ニス塗り用下地処理用剤。

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From Nederland

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Imprimatura Dorata
Imprimature Dorata  PRIMER, SEALER 使用


色の濃さの違う部分は、PRIMER 1回塗りと2回塗りの違い


このニス塗りも夢では無くなります

★カールヘフナー ニス塗り専用刷毛 

”弘法筆を選ばず” は、ニス塗りには当てはまりません。ニス塗りには、刷毛の良い物を選ぶ事が、綺麗な仕上がりのポイントです。
毛先が消えて無くなる程細く、しなやかな、動物の毛で作られている、ニス塗り専用の刷毛です。普通の日曜大工店では、手に入りません。是非、お試し下さい。


■ニス塗り工程

ニス塗りの前には、バイオリン全体をスクレーパーやサンドペーパーで丁寧に仕上て下さい。 角部の丸みを均一に仕上る事も、美しい仕上げには大切なこととなります。 また、ニカワなどの接着剤の跡は必ず取り除いて下さい。 濡れ雑巾で軽く拭くと良く分かります。

ニスを塗る時は、一般には指板を外します。 通常は、指板は仮接着されていますので、接着面に筆でお湯を流し込むか、薄いナイフを熱して隙間に差し込むなどして外して下さい。 ニス塗りの間に、ネックの角部にキズをつけてしまわないよう、充分注意が必要です。

 ニス塗り工程は、下地目止め処理、着色ニス塗り、カバーニス塗りの大きく3工程に分かれます。 ニスはそれぞれの工程で5回ずつ位、よく乾くのを待って、 合計15回程度に分けて、薄く塗ります。 くれぐれも、1回ずつ良く乾くのを待って薄く塗って下さい。

 ニスを塗る時に持つ部分は、左の写真のようなネック部と、写真は有りませんが、エンドピンの穴に棒を押し込んでその部分をもって塗ります。

 塗り重ねて行く内に、透明感のある、バイオリン独特のニス仕上げが出来ます。

 ニス塗りの途中、凹凸が出来たら、細かなサンドペーパーで平らに仕上げてから先に進みます。

 最終塗りが終わり、ニスが完全に乾いてから、ポリッシュ(トリポリなど)で表面に光沢が出るように磨きます。

 ニス塗りが完了しました。

 

 

 

 


■パーツフィッティング

 指板や、ナットをニカワで接着します。指板の接着の際は、3ケ所程度でクランプして確実にネックに密着させます。
BVK-1バイオリンキットの製作でグレードアップパーツの黒檀指板、ナットを使用する場合、指板の幅やナットの幅をネックの幅に合わせて削る加工が必要となります。

 ナットの上面の弦の載る部分を指板からE線側で0.7mm、G線側で1.0mm程度の高さにヤスリで仕上ます。
ナットの角部は、左の図のように角を滑らかに落します。

 ナットに弦の通る溝を、細いヤスリで彫ります。 E線とG線の溝は、ほんの僅か内側に傾けると弦が糸巻き箱に当たらずに糸巻きに巻きつけられます。

 弦の通る溝の間隔は、ナット(指板)のセンターに対して、16.5mmの間隔を決め、それを3等分して決めます。

 溝の深さは、弦の太さの1/2程度に溝を付けます。


■魂柱の立て方

 魂柱は、f字孔から、バイオリンの中に立てます。 少し難しい作業ですが、勘所が分かれば、何回でも、色々と試して見る事は容易です。

 魂柱立てる位置の表板、裏板の内側も斜めの曲面になっていますので、魂柱の両端は曲面に合わせて僅かに斜めに切断する必要が有ります。 また、魂柱の長さは、表板と裏板の間隔の寸法より、0.5mm程度長くして、表板・裏板の圧力で留まるように立てます。 魂柱立ては、通常はキットに添付されます。 f字孔にキズを付けないよう、ビニールテープなどを巻いて使用下さい。

魂柱は魂柱立てに刺してf字孔から 胴の中に立てます。 立てる位置でバイオリンの響きが良くなりますので、色々と試してみる価値があります。魂柱の製作と調整をご覧ください

 魂柱を立てるための(左写真上)魂柱立てのほかに、魂柱を立てる場所の表板と裏板の間隔を、f字孔から差し込んで正確に測定するための(左写真中)魂柱キャリパーや、立てる時に、バイオリンの中に落ちてしまった魂柱を簡単に取り出すための、(左写真下)魂柱リトリーバーなどが有ると大変便利です。

 長さの違う魂柱や、立てる場所を何回も試して見ようという元気が沸きます。

 魂柱立ての先端を、ヤスリで鋭く尖らせて、魂柱を突き刺してf字孔から中に入れて立てます。 左の図のような角度に魂柱を突き刺すと立て易いでしょう。

最近、魂柱立て だけをお求めになられる方が多いようです。 ご自分のバイオリンの魂柱の立替や調節をされておられるものと思います。試して見られるのは大変良いことだと思います。

魂柱立て の先端は、カッターナイフの刃のように、鋭くと尖らせて下さい。そうすれば、簡単に魂柱が刺さり、落ちないで上手く差し込めます。 あとは、魂柱立て に、ビニールテープを巻いておくと、f字孔に傷を付けないで作業できます。

 魂柱を立てる場所は、概ね左図のように、駒の足からテールピース側に2-3mm位の位置になります。

 魂柱の木目が、表板の木目と直角になるように立てます。


■駒、糸巻き、エンドピン、テールピースのセッティング

 駒を作り、糸巻き、エンドピンやテールピースをセットして弦を張り ます。

 糸巻の製作と調整をご覧ください。

 糸巻きは、つばの位置が左の図のように12mm程度になるように、糸巻き穴、糸巻き(ペグ)を削ってセットします。

 バイオリン製作キットの場合、糸巻き穴やペグは最終寸法のすこし手前の寸法になっていますが、ニスを塗った際、糸巻き穴の中にニスが入ってしまったり、糸巻きの直径が木の収縮で多少楕円になっていたりしますので、出来れば専用の道具を使って、糸巻き穴とペグを削って仕上ることが望ましいです。

 ペグを真円のテーパーに削る(左写真上)ペグシェーパー

 糸巻き穴をさらう(左写真下)ペグリーマー

 糸巻き穴をさらうペグリーマー

 無い場合は、テーパーの丸棒(テーパー:1/30)を作り、それにサンドペーパーを巻いて簡易的に仕上る事も出来ます。

 弦を通す穴は、ペグの出っ張りのセッティングが正しく出来た後で、左の図のように、糸巻き箱の中心より約1mm外側の位置に穴あけします。

 ペグの先端は、約1mm程度引っ込む長さに切断し、先に丸みを付けて磨くと美しい仕上がりになります。

 エンドピンもテーパーに作られていますので、エンドピンがガタ無く、確り止まる穴径に、ペグリーマーを使って仕上ます。

bridge22.jpg (3738 バイト) 駒は弦の振動を胴に伝える大切なパーツです。 両方の足が表板にピッタリ接触する事、駒のテールピース側が真っ直ぐに立つ事、弦の高さ(指板と弦の隙間)が正しい事、駒の厚さが適当である事など、正しいセッティングが音に大きく影響します。

 駒の製作と調整をご覧ください。

 駒の両方の足が表板にピッタリ接触するよう、足の裏側を削ります。 ナイフで駒足の裏側を表板の曲面に合わせて削って仕上る事も、慣れれば上手く出来ますが、非常に難しい作業です。

 左の道具は、ブリッジフィッティングジグで、駒を挟んで固定し、表板の上に敷いたサンドペーパーの上で何回か前後に擦ることで、いとも簡単に駒足を表板の曲面に合わせて削る事が出来ます。

 駒の厚さを削ります。

 駒のテールピース側(通常は駒にメーカーの刻印などがある方)は削らずに、表板に垂直に立つように足を削ります。

 駒の指板側を削って、左の図のような厚みに仕上ます。 粗いサンドペーパーなどの上で擦って削ります。

 弦の載る部分の厚みは、最終的に1.2mm程度に仕上ます。

 弦の載る部分は、左の図のように、中心線より左右対象に34mmをとり、それを3等分した位置に弦の通る溝を細いヤスリで付けます。 弦の直径の半分程度入る深さの溝をつけます。

 始めは、弦の高さが少し大きくなるように、駒の上端を削っておき、弦を張って高さを確認します。

 次に、E線で3.8mm、G線で5mm程度の弦高さになるよう、駒に鉛筆で印を付け、駒を外して上端を削り、最終的な溝を付けます。


駒を外す時は、弦を緩める必要が有りますが、その時、弦がグチャグチャにならないように、弦を駒よりもっと上に上げて張っておくための、ブリッジジャックという便利な道具もあります。 これが有れば、いらいらせずに、駒の高さを確実にセットする事が出来ます。 左の写真のネジを回す事で、弦の高さを上げたり下げたり出来ます。


後は、顎当てをセットすれば、バイオリンは完成です。

これで、世界に一つ 手作りバイオリン が出来ました

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バイオリンキット製作用の道具類は、こちらでご紹介しております。

バイオリンの製作法、道具類など、もっと詳しく調べたい時は、こちらの参考文献をご覧下さい。

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工房ミネハラ
Mineo Harada

Updated:2009/9/15

First Updated:2003/11/18