工房ミネハラ ならではの 安心ケェアサービス


お求め頂いたチェロを、何時までも調子良く演奏戴くために


弦楽器は、木で出来ている大変デリケートな楽器です。

ベストの調整状態を維持するためには、ユーザーご自身での、セルフケァが大変重要です。

どんなに高価な楽器でも、同じです。

良い楽器になればなる程、日頃のセルフケァは大切です。

それでは、その、勘所をご紹介いたします。


すみませーん・・・、こんなになるまで、頑張らせないで下さい・・・。 これでは・・・・???!!! 実際に修理依頼で戻って来た状態です。

これは、駒が悪い・・・のではありません。 どんなに良い駒を使っても、セルフケァがないと、こういう状態は起こり得ます。


取り扱いの注意

温度・湿度には最大の注意

 チェロは、木とニカワ(接着剤)で出来ています。当然のことながら、温度と湿度には大変敏感です。鳴り方が変わるばかりでなく、取り返しのつかない破損(注)につながる事が考えられますので、注意して下さい。

 直射日光、ストーブの前、急激な温度・湿度変化、炎天下の車の中の放置、など、くれぐれも注意して下さい。 夏場、エアコンを付けたり、消したりする部屋に置く場合は、必ずケース(ソフトケースでも可)に入れて置くと良いでしょう。

ぶっつけないで下さい、 倒れ易い所には絶対に置かないで下さい

 持ち運ぶ時は、ぶっつけないよう、注意して下さい。車のシートに置く場合は、ブレーキをかけても滑らないような向きに置いて下さい。 強く圧迫される事が無ければ、ソフトケースに入れて運べば、まず安心です。 満員電車に載ってチェロを運ぶ事が考えられる場合は、ハードケースをお求め下さい。壊れてからの修理代より安いかも知れません。

 倒れると、ネックが折れたり、指板が剥がれたり、魂柱が倒れたり、駒が倒れたり、板が割れたり、色々な厄介な事が起こります。倒れる危険の有る場所には、絶対に置かないよう、注意して下さい。 ハードケース・ソフトケースに入っていても、倒れると必ず何処かが壊れてしまいます。(注)

(注) 不幸にも、このような状態になってしまった場合、修理(有償)も出来る物も有りますので、工房ミネハラにご相談下さい。

 演奏途中の場合は、チェロスタンドに立てて置くと安心です。

  大変お求め易いチェロハードケースこちらでご紹介しております

演奏が終わったら、軽く綺麗に拭いて下さい。

 たまには、楽器専用のポリッシュで拭くと、見違えるような光沢が維持できます。


各部の注意点 と セルフケァ

 始めのうち、最も状態の変化し易い部分が、駒です。

 しかし、駒は弦の振動を楽器の胴に伝える、最も重要なパーツです。 常に、ベストコンディションにしておく事が大切です。

 1本当たり、10Kgを超える張力の弦を、確りと支えているのが、駒です。

 駒は、表板に弦の張力で押し付けられて止まっています。(接着はされていません)


(注) 指板の形状に従って、弦高の値は多少異なる場合があります。

 駒は、f字孔の切り込みを結んだ線上に、駒の足の中心を立てる事が一般的ですが、楽器の大きさによっては、前後にずれて立てる事も有ります。

 工房ミネハラでは、通常4/4サイズの場合、標準弦長の695mmの位置に、駒を立てて調整しております。(上図参照)

ご希望により、体格や手の大きさに応じて、若干、弦の長さ(弦長)を短く調整する事も可能です。

 駒の指板側は、必ず斜めに・曲面に削られています。 大抵の場合、駒のテールピース側は、平坦です。

 左の写真と、図をご覧下さい。駒のテールピース側が、表板に直角に立てられています。 この状態で、駒の二つの足が、表板に密着されるように削られています。

弦を全く緩めてしまっても(弦を張らない状態でも)、表板に直角に立つように予め足の裏を削ってあります。

 従って、駒がどちらかに倒れると、駒の足が表板に密着せず、音にも微妙に影響が出ます。

 駒は、糸巻きを回して弦を張る時、弦が駒の上部の溝で滑りが悪い場合、必ず指板側に倒れて来ます。特に新しい弦を張った時など、糸巻きで巻き上げる量が多いと、倒れも大きくなります。 このような場合は必ず、下の図の、良いの状態に、駒の倒れを直して下さい。駒が倒れた状態を長く続けていると、駒が反って曲がってしまいます。(下の図の、左側の状態) 

 弦を交換した時は、ナットや駒の弦の通る溝に、ローソクのロウを擦り付けてから弦を通すと、弦が滑りやすくなり、調弦を正確に行うことができるようになり、また、弦が切れ難くなります。

 テールピースに付いているアジャスターで、何時も弦を張っていると、テールピース側に倒れてくる事も有ります。アジャスターばかりで、何時も弦を張っていると、やはり、駒が反って曲がってしまう事があります。(下の図の、右側の状態)

 アジャスターのネジを、余り奥まで回しきらない内に、一旦ネジを目一杯緩めて、糸巻きで弦を張り直して下さい。

 駒の位置・姿勢は、練習の調弦の後に必ずチェックする習慣にされると良いと思います。

下の図の、悪い(危険)の状態を更に過ぎると、駒が割れてしまう事がありますので注意して下さい。

 下の図の、悪い(危険)のように、駒がどちらかに曲がってしまっている場合は、弦を少し緩めた状態で、矢印の方に駒の上部を動かして、真っ直ぐに立つように修正して下さい。 この時、両方の手で駒の左右を持って、少しずつ動かして下さい。 また、駒の足は表板に密着するように保ち、駒の上部を曲げて下さい。

 大きく反ってしまった駒を正しい姿勢に立て直す場合、暫くは、駒の足が表板に密着せず、指板側かタールピース側に、僅かに隙間が開くかも知れませんが(余り隙間が大きいと、かえって倒れの原因になりますので、注意が必要です)、この状態で暫く置くと、駒の反りが元に戻って来ます。そうしたら、良いの状態になるように、立て直して下さい。 この時、弦長が695mmになる位置に、駒を直角に立てて下さい。

 常に良いの状態を続けていれば、駒は極端に曲がったり、倒れたりはしなくなります。

 
 駒の倒れ、反りをチェックするには、駒に真っ直ぐな定規を当てて見て下さい。

 駒は、運搬中に何かにぶっかったり、横から力を受けると左右にもずれてしまう事が有りますので、スクロール側から指板と駒を同時に見て、指板の中心と駒の中心が合っているかチェックして下さい。 もし、ずれているようでしたら、弦を少し緩めて駒を左右に動かし、中心を合わせて下さい。 駒の左右のずれは、弦の高さにも影響します。

 駒の上端には、弦の通る浅い溝が付けられておりますが、弦の擦りで、特にA線などの溝が深くなり過ぎてしまう事も有ります。 このようになってしまった場合は、弦の下に、ごく薄い、硬い皮を挟んで弦が溝に食い込まないようにすると良いでしょう。

 それでも、駒の状態が正常に直らない場合は、重症ですので修理が必要です。 弦を緩めで駒を外し、工房ミネハラにお送り下さい。 反りの修正、又は、新しい駒をお作り致します。(有償)

 是非、こう成らないうちに、日頃から駒の立ち方には十分気を配って下さい。

魂柱

 f字孔から、チェロの胴の中を覗くと、真っ直ぐな木の棒が立っているのが見えます。これを、魂柱と言います。表板の振動を裏板に伝える、チェロの生命の棒とも言える物です。 この魂柱は、接着で固定されている物では無く、表板と裏板に突っ張った圧力で支えられています。

 弦を全部いっぺんに緩めてしまうと、支えの圧力が無くなり、倒れてしまう事が無いとも限りませんので、弦を全部緩める必要のある時は、必ずチェロを水平に置いて、少しずつ弦を緩めて、倒れないかどうか確認しながら進めて下さい。

(注)魂柱は、弦を全部緩めた状態でも、僅かな圧力で支えられるような長さに作られていますので、オールドの楽器でも無い限り滅多に倒れる物では有りません。

 しかし、弦を交換する場合には、1本ずつ交換し、絶対に全部の弦を同時に緩める事はしないで下さい。 弦を全て緩めてしまうと、駒までその位置がずれてしまいます。

 万が一、魂柱が倒れてしまった場合は、チェロ全部を工房ミネハラにお送り下さい。必要な方には、輸送用のダンボール箱、或いはハードケースをこちらからお送りしますので、それに入れて送って下さい。 魂柱の立て直し、駒位置の調整などを行います。(有償)

指板と弦の高さ

 指板は弦を押さえる大切なパーツです。 チェロの弦の張力は4本全部で50Kgを超える大きな力です。 従って、指板が取り付けられているネックにはそれを支える大きな力が常に加わっています。

 そのような状況で、温度や湿度の影響を受けますと、ネックや指板が僅かに変形したりします。 一般に、湿度が高い時期には、指板の端(駒に最も近い位置)は表板の方に曲がり、反対に湿度が少ない時期には、弦との隙間が小さくなる方に曲がります。

 弦から指板までの寸法は、チェロの演奏のし易さに大きく影響しています。この値が余り大きいと、弦を押さえる力が大きく必要で、やや弾き難くなります。 また、弦と指板の隙間が余り小さいと、演奏した時に、ヒビリ音などが出てしまいます。

 駒の高さを調整する時は、このような事を総合してベストな高さに調整しておりますが、もし、ずっとお使い頂いているうちに、弦の高さに不具合が感じられる場合は、ご連絡ください。 弦の高さは、指板端で決めますが、「これで無ければならぬ」と言う、一義的な寸法は有りません。 概ね、上図の寸法を目安に、使用する弦や楽器の状態に従って最適な値に調整しております。

 (注) 弦と指板の隙間が極端に大きくなった状態で使用を続けると、弦の張力によってネックを曲げようと働く力は益々大きくなってゆきます。 そのために、ネック自身の曲がりが加速的に大きくなり、弦と指板の隙間が演奏に支障が出るほどに大きくなってしまうことがあります。 弦と指板の隙間は演奏のしやすさに影響しますので、常に心がけてチェックしてください。 「前より極端に大きくなった・・・」と感じられる場合は、速やかに再調整を依頼することをおすすめします。

糸巻きと調弦のし易さについて

 チェロの弦は、上から、1番線:A(アー、ラ)、2番線:D(デェー、レ)、3番線:G(ゲェー、ソ)、4番線:C(ツェー、ド)に調弦されます。 各弦の正確な音程の調弦方法はチェロに付いて来るメモをご覧下さい。

 テールピースにアジャスターの付いている場合は、最後はアジャスターのネジを回して正しい音程に合わせる事が出来ますが、上記の駒の所で述べましたように、糸巻きで弦を巻き上げる事は必ず必要です。

 弦を交換した時には、弦が糸巻きにぐちゃぐちゃに巻きつかず、左の良い巻き方のように整然と巻きつけて下さい。 弦が切れる予防にもなりますし、正確な音程に調弦出来ます。

 弦を交換した時は、ナットや駒の弦の通る溝に、ローソクのロウを擦り付けてから弦を通すと、弦が滑りやすくなり、調弦を正確に行うことができるようになり、また、弦が切れ難くなります。

 

 

 細い弦や、緩み易い弦は、左のように糸巻きに巻きつけると、緩み難くなります。

:弦の音程を正しく調弦した時の、糸巻きの向き(角度)も、巻き易さに大変重要です。 左の巻き易い角度に最終的になるように、弦の端が糸巻きの穴に入っている長さを調節して、角度を決めて下さい。

 出荷の時点では、糸巻きは、弦の張力で滑ってしまわないよう、専用のペグシェーパで削って仕上げ、糸巻き穴はペグリーマでさらってキチットと仕上て有ります。 また、糸巻潤滑剤・軟質(ペグコンポジション)を塗ってスムースに止まるように仕上てあります。

 長い間使用していると、糸巻きを回す時に軋んだりする場合が有りますので、一旦糸巻きを抜いて、糸巻潤滑剤・軟質(ペグコンポジション)を糸巻きの穴に嵌っている部分に塗りつけてから、弦を巻きつけ、最終的に糸巻きを押し込んで下さい。 大変滑らかに巻き上げる事ができるようになります。

 逆に、糸巻きが滑りやすくなって、止まらないような状態の時は、白墨を僅かに塗るか、弓に付いている松脂の粉を僅かに塗りつけると、堅く止まるようになります。 しかし、調弦はし難くなりますので、普段からペグコンポジションを塗って、滑らかに回せるように馴染ませて下さい。

 糸巻きが、どうしても緩過ぎる場合は、糸巻きと糸巻箱の穴を専用の工具(ペグシェーパ,ペグリーマ)を使って再調整する必要がありますので、チェロ全部を工房ミネハラにお送り下さい。必要な方には、輸送用のダンボール箱、或いはハードケースをこちらからお送りしますので、それに入れて送って下さい。 糸巻きの再調整を行います。(有償)

 チェロの弦は、演奏しない時でも、緩めておく必要は有りません。 しかし、長期間演奏しないでしまっておく場合は、1音程度緩めておけば良いでしょう。

弓について

 チェロ演奏で、弓は大切なパートナーです。馬の尻毛を束ねて、棹に張ったものですが、棹(スティック)との弾力の調整で弾き易さは変わってきます。 スクリューを右に回すと毛の張りが強くなりますが、余り張り過ぎてスティックが真っ直ぐ、あるいは逆に外側に曲がってしまう事は絶対に避けなければなりません。

 スティックの腰の強さに応じて、張りを調整して下さい。 目安は、スティックの中央部で毛とスティックの間が、1cm弱程度です。

 演奏しない時は、必ず完全に緩めておいて下さい。 雨の降った日に演奏して、弓を緩め忘れ、翌日が晴天だったら、最悪の事が起こります。

 毛には非常に細かなギザギザが有り、そこに松脂を塗って、そのギザギサと弦の摩擦で音を出しますので、使って行くうちに、ギザギザが擦り減って、音が出難くなります。 毛は消耗品ですので、そうなった時は新しい毛に交換が必要です(毛替)。 毛替えは、こちらでもお請けできます。

 ナット(毛箱)とスティックの合わせ部分に、手の汗などが入り込み、動きが悪くなりますので、たまには、スクリューを一杯に緩めて抜き取り、ナットを外し、綺麗に清掃する事も必要でしょう。 スクリューの先はネジになっていますので、その部分に少量のグリースを塗ると、回し易くなります。

 弓で、一番注意が必要な事は、落としたり、弓の上に腰掛けてしまったりしない事です。 落とすと、必ずと言って良いほど、先端のチップが欠けたり、ヘッドの部分が割れたりします。 修理も出来ますが、使い難い弓になってしまいます。 

 弓の毛に松脂を塗るときは、新しい毛の場合は馴染むまでは少し多めに擦り付けて下さい。 一旦馴染んだ後は、演奏前に軽く数回擦り付ける程度で良いでしょう。


 演奏して、楽器の表面や弓のスティックに付いた松脂の粉は、演奏後拭きとって下さい。そのままにしておくと、汚くこびり付いてしまいます。

リリックワックスポリッシュ(楽器専用磨き剤) \1,575  (税込)

偶には 楽器専用のワックスポリッシュで、綺麗に磨き上げて下さい。


以上、多少の抜けは有るかも知れませんが、チェロを末永く楽しんで頂くためのポイントを、ご紹介致しました。

是非、日頃のセルフケァに心掛けて、演奏を楽しんで下さい。

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「取り扱いの注意」なども載っていますのでチェロを始めて手にされる方は、是非お読みください。

こんなことも、きちっと解説されています。

詳しくは こちらをご覧下さい


について、面白いホームページもありますので、ご覧下さい。

AITCHISON MNATZAGANIAN  Cello Care Guide


楽器を愛し、音楽を愛する方へ

 こんなに安い楽器は、”弾けないのでは?”と 疑問を持たれる方は沢山おられると思います。

 また、「通信販売で楽器を購入したけれど、糸巻きが緩んだり、駒やナットが高過ぎたり、指板が反っていたりして、演奏に絶えられない」 などと言ったお話をお寄せ下さる方がおられます。

 これは、
ショップアジャストメントと言われる販売店での個別調整が充分になされて無いためと考えられます。

 海外から入って来る楽器は、たとえドイツ製と言っても、殆ど全て調整が必要なレベルです。大手の老舗の楽器店でも、お店でちゃんと調整しています。

 
手作り楽器の工房ミネハラ は、 弦楽器の手作り楽器の工房です。

 楽器を愛し、音楽を愛する方のために  演奏に直接影響する 駒、糸巻き、ナット、指板などは、どんなにお安い楽器でも、相当の手間を掛け、全て一台毎に最良の状態になるよう完全調整済みでお届致しております。

 さらに、オリジナルにセットされているパーツを活かし入念に仕上る事によって、価格を上げること無くご提供する事をモットーとしております。

 
ご覧下さい。(写真は AC-90CX)  糸巻き ナット 指板 ウルフキラー

 また、
はじめて楽器を手にされる方でも、楽器の性能を十二分に引き出して演奏を最大限楽しんで頂けるよう、最大限のグレードアップをしてご提供致しております。 さらに、さまざまなオプションパーツやアクセサリー・グッズなども併せてご提供出来るよう、便利グッズなどを色々探しております。

これが 手作り楽器の工房ミネハラ から 皆様への最大のサービス と考えてやっております。

 ”お店でも手に入らない、価値ある楽器をお届けしたい”

これが、手作り楽器の工房ミネハラ の モットーです。

ご購入希望の方、あるいは、お問い合わせされる方は、 電子メール・電話・ファックスなどで ご連絡下さい。

ご連絡下さい

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Mineo Harada

Updated:2007/4/22