200年前のモデル 見事に再現しました
左がモデルとなったJohann Andreas Stein, 1787 右が齋藤さんの完成品
Model : Clavichord, attributed to Johann Andreas Stein, Augusburg, 1787 by Gemeentemuseum
名古屋市にお住まいの齋藤さんから、クラヴィコードを製作したいと言うメールを頂いたのが、ちょうど1年まえの、昨年 ’98年9月でした。
早速、クラヴサン工房アダチ 安達 正浩氏 に連絡をとったら、材料の提供・製作指導を快諾してもらいました。
当の齋藤さんも、始めは
「 本当に作れるの ??」 、半信半疑でしたが、正確に図面をトレースするところから始められ、ノミ・カンナの扱い方を徐々にマスターされて行くうちに、これなら完成間違いないという感触をつかまれて、根気よく、 丹念に製作され、遂に完成されました。見事としか、賞賛の言葉はありません。
それでは、作品を、途中経過も含めてご紹介致します
モデルを忠実に再現させるため、アリ溝でフレームを組み立てるのは、プロでも大変な仕事ですが、見事にそれをされました。
鍵盤は、一枚の大きな菩提樹の化粧板を切り出して、連続に作ります。 1ケ1ケ形の違う鍵盤を、一枚の板の上に正確にトレースして、糸鋸で切り取って行きます。 根気のいる作業です。
黒鍵と白鍵が、ピアノとは逆ですが、黒鍵には薄い黒檀を貼り、白鍵には牛骨を貼ります。 キーアクションとの関係も有りますので、厚さなど正確に作らないと、重さのバランスが保てなくなります。
楽器で一番重要な部分は、響板です。
響板は、(仏)エピセア ((英)スプルース)を接着して剥ぎ、カンナで薄く削って仕上げます。 微妙にカーブしている、ブリッジは、ブナ材を切り出して作り、響板のほぼ中央に接着します。この部分が音の原点になりますので、一番確実に作らねばならぬところです。
下の写真は、普通の大工道具店で売っている釘です。 この釘を、切断し、端っこの部分を叩いてチューニングレンチの入る角型に仕上げ、薬品で酸化して黒染めし、最後に弦を通す細い穴を明けて、チューニングピンを作りました。 50本以上ですよ!!
上の写真の、響板の上に載って写っている、チューニングレンチも自作です。
使用した主な材料
パーツ 材料 ケース・共鳴胴 山桜 響板 (仏)エピセア (英)スプルース 鍵盤 菩提樹 黒鍵 黒檀 白鍵 牛骨 ブリッジ ブナ チューニングピン 鉄釘 使用弦 細弦:スチール 中太弦:真鍮 太弦:リン青銅
完成したクラヴィコードの仕様 寸法単位:cm
項目 仕様 Size height 10, width 98.2, depth 29.3 Compass 4 octaves + fourth, C-f3 Keyboard width (of two octaves) 31.5 Key Unfretted Strings Unichord (single strung) String length C 84.4, c 66.3, c1 48.2, c2 29.1, c3 15.5, f3 11.9
齋藤 様 大変にお疲れ様でした。
素晴らしい見事な出来映えに、感銘させられました。 安達氏の良きご指導も有ったかと思いますが、ご努力には大きな拍手をお送りします。
その後、齋藤さんはクラヴィコードの後ろに写っているチェンバロの製作にも挑戦されました。 構造の研究や、図面のトレース から進めました。
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工房ミネハラ
Updated:2003/4/3