弦の力学

Basic Theory of

the Strings

 

How to calculate the tension & stress.

 バイオリン・チェロ、ハープ、ギター・・・これらの弦楽器は、全て弦の振動によって音が作られています。

これ等の弦楽器用の弦としても、数限りないほど沢山の弦があり、それぞれ 弦の張力 (Tension)や音色も違っていて、

演奏感覚も違っています。

 ギターなどのフレットのある弦楽器に於いては、フレットを押さえた時の音程の狂いにまで影響を及ぼしているのも、

この 弦の張力 (Tension) に起因します。 これは、 MTS  TM で完全に補正できます。 こちらをご覧下さい。

 

 従って、色々な弦楽器のメカニズムを調べる上で、弦の張力 (Tension) を知ることは、全ての基本です。 

更に、弦の張力 (Tension) が強 過ぎれば、何れ、弦は切れてしまいます。 弦が切れる・・・と言う事は、弦の材料に働いている力が、

弦の材料の本来の強度より大きいために、弦の材料が破壊されて切れてしまう・・・と言う事です。 

 この、弦の材料に働いている力 は、専門的な用語では、弦の応力 (Stress) と言います。

 

 このページでは、 工房ミネハラ が 解析に使用している 弦の張力 (Tension) と 弦の応力 (Stress) を

計算で簡単に求める方法をご紹介します。 有効数値2桁は十分に計算できますので、実用には全く支障は有りません。。

 色々な弦に就いても簡単に求めることが出来ますので、大変便利な方法だと思っております。

  (注) 説明用の図表は、あちこちの物を引用しましたので、記号が違う場合が有ります。

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弦の種類と弦の単位長重量の求め方

How to calculate the unit mass of the string (γ)

弦の張力と振動数の関係を計算するには、

その前に、γ弦の単位長重量・・・1cm当りの弦の重量 を求めておく必要がある。


Plane Nylon string(ナイロン弦), Gut string(ガット弦), Wound on Nylon floss(フロス巻線弦)


Wound on plane steel (スチール巻線弦)

上のように、弦には色々な種類の物があります。 弦の単位長重量を求めるには、10cmとか、30cmとかの長さに弦を切断して、電子天秤ばかり などでその重さを測定すれば、1cm当りの重量を直接測る事が出来ますが、実際の楽器に張ってある状態では、切断して計ることは出来ません。

そこで、弦の太さなどを測って、その値から、計算で弦の単位長重量を求める方法が便利です。 実測とは僅かな違いは有りますが、その程度は数%程度ですので、問題は有りません。

(A) Steel strings 金属弦

(1) plane string 単線弦のばあいは、上の(1) によって計算

(2) wound string 巻線弦のばあいは、上の(1) によって芯線部を計算し、(2) によって巻線部の単位長重量を計算し、その値を合計する。

(B) Nylon strings or non-steel strings ナイロン弦 他


(注) Nylgut (Aquila) の密度 density (ρ) は 1.3-1.35 でも良い。

(1) plane string 単線弦のばあいは、上の(1) によって計算・・・弦の材料の密度 density (ρ) は、それぞれの値を使用する。

(2) wound string 巻線弦のばあいは、上の(1) によって芯線部を計算し、(2) によって巻線部の単位長重量を計算し、その値を合計する。

   Nylon floss(ナイロンフロス)弦の場合、芯線部の重量は殆ど無視できるので、巻線部の単位長重量のみ計算すれば良い。

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弦の張力と弦の振動数

String Tension and Frequency

弦の張力は、弦の振動数が分かっていれば求める事が出来る。

 

 

f :frequency (Hz)

L :length (cm)

γ :unit mass of the string (gr/cm)

g :acceleration of gravity (cm/sec*sec)

S :string tension (Kg)

A :cross section area (mm*mm)
 

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弦の応力 とは

What is the Stress?

弦の張力 (Tension) (Kg) を 弦の断面積 (Cross Section Area) で割ったものを 応力 (Stress) と言う。

弦の断面積 (Cross Section Area) とは、何でしょうか。 下の図をもう一度ご覧下さい。 巻線弦の張力(Tension) は、巻線部には作用していません。

従って、巻線弦の断面積 (Cross Section Area) とは、コア部 や フロス部の断面積です。

(1) コア部の面積は、下記の (1) で計算できます。

(2) フロス部の面積は、下記の (2) のような方法で求めることが出来ます。 ナイロン巻線弦の値は、 0.1 mm*mm 程度と、大変小さな値です。

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弦の種類と張力・応力

Calculation of the Steel Strings

下のデータは、Acoustic Guitar の弦の張力(Tension) と応力(Strain) の計算結果です。

Calculation of the Nylon Strings

下のデータは、Nylon String Classic Guitar の弦の張力(Tension) と応力(Strain) の計算結果です。

ナイロン巻線弦の単位長重量は、電子天秤ばかり などでの実測値と、巻線部の単位長重量を計算で求めたものの両方を示していますが、その差は僅かです。

ナイロン巻線弦の芯線部の断面積 (Cross Section Area) は、ナイロンフロスの本数から求めたものと、スリットによる簡易測定法の両方で求めていますが、その差は僅かです。

上の Acoustic Guitarと、Nylon String Classic Guitar 弦の寸法を比較すると、下の図のようになります。

しかし、#1、#6弦 とも同じ高さの音を出すのですから、弦の単位長重量は、だいたい同じオーダーの数値となっています。

このような場合、弦の単位長重量の大きい方が、弦の張力 (Tension) は、当然大きくなります。

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弦の単位長重量の実測方法

How to measure the unit mass of the string (γ)

上の、ギター弦の場合、弦の長さが 約1m弱の長さですが、全長の重量は、0.5gr から 10gr 程度と、大変軽い物です。

電子天秤ばかり などが無くても、1円玉 や 5円玉 を使って、天秤を作れば、弦の単位長重量を実測することも出来ます。

下の写真を見て、工夫してみて下さい。 この例は、ナイロン弦の場合です。

 

以上、弦の張力 (Tension) と 弦の応力 (Stress) を計算で簡単に求める方法をご紹介しました。

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工房ミネハラ
Mineo Harada

First Updated:2006/4/21