このページの始めの方で示した Yamaha
LS36
#1
弦の、
G4 の音の周波数成分 の波形を、もう一度ご覧下さい。
実際に弾いた弦は、
#1 弦
G4
です。 その音の基本音は、
393 Hz
です。
通常、基本音より低い振動数の音は出てこないのが常識ですが、この音の周波数成分 には、
107 Hz
205 Hz
の音が含まれています。
そうです。 聡明な方なら直ぐにお分かり頂けるとおもいますが、共振点 モード
(0)、モード
(0,0)
の音が、湧き出し て鳴っているのでした・・・。
何故でしょうか・・・。 叩けば分かる 共振周波数・・・
を思い出して下さい。
表板(Top) をちょっと叩くだけで、叩かれて出た音には
107 Hz
205 Hz
の音が含まれていることが分かっています。 こちらをもう一度ご覧下さい。
叩いた程度で出るのですから、ましてや、弦が弾かれて、サウンドボードが振動していれば、表板(Top)
が モード
(0)、モード
(0,0)
で共振して、その振動数の音が外に出ることは、自ずと分かります。
この、
107 Hz
205 Hz
の音は、どの弦を弾いた時にも出ていた・・・という事が、改めて分かりました。
こちらの
G#3 の音の、 ピッキング直後
の 周波数成分 をご覧下さい。 基本音より低い、
107 Hz
の音がある事が、良く分かります。
また、こちらの
C4
の音の、 ピッキング直後
の 周波数成分 をご覧下さい。 基本音より低い、
107 Hz
の音がある事が、良く分かります。
これ等の物は、何れも、基本音より低い振動数の音ですが、基本音がこれ等の振動数より低い場合は、基本音より上の振動数の部分に、
107 Hz
205 Hz
の音が湧き出し ます。
すなわち、どの音の弦を弾いても、共振点 モード
(0)、モード
(0,0)
のなどの、強く共振する振動数の音が、湧き出す と言う現象が見られました。
この音の強さは、実際に弾かれた音のレベルに較べて小さな値ですので、耳で感じる 聴感的 には、「違った音がまじっている・・・」とは聴こえないようです。 どうぞご安心下さい。
この、音の湧き出し は、表板(Top)
が共振しやすい・・・から、大きく発生している・・・と考えられますが、
聴感的 には、「違った音がまじっている・・・」 とはならなくても、実は、こちらで問題提起した、実際に弾いた音の音色を損なう・・・と言う大きな問題を含んでいたのです。
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