手作り楽器の工房ミネハラ 楽器のルーツ 紹介コーナー


音の出ない、夜でも弾ける 「無音バイオリン 」

"silent violin" 【称呼】(サイレントバイオリン)

なんと、 そのルーツは、レオポルド・モーツアルトにあった


 
カールヘフナー (Karl Höfner)  "Mute Violin"
このようなバイオリンは、1700年代に、既にありました



今では、こんな格好にもなっています

これは、ミネハラトレーニングミュートバイオリン


これ等は、みんな

音の出ない、夜でも弾ける 「無音バイオリン 」 "silent violin" 【称呼】(サイレントバイオリン)

です

共鳴胴の無いバイオリンですので、周囲に音が響いてしまうことは、全くありません。

これなら、夜でも、昼でも、「周囲にご迷惑を掛ける・・・」 と心配は有りませんよね。

こういう"silent violin"のニーズは、最近の物だけではなかったようです。

そのルーツを探って見ました

 silent violinのルーツは、Mute Violinでした


Mute Violin National Music Museum 始めにこちらのホームページをご覧下さい

このページを

Collections & Research Collections 

Bowed String Instrument  Checklist of Violins Made Between 1850-1874
と辿って行くと、上の
 ミュート バイオリン と同じようなバイオリンが出てきます。

1800 年代の半ばには、こういうバイオリンがあったのですね。 当時は、Mute Violin と呼ばれていたようです。

もっと詳しく見て見ましょう。 こちらをご覧下さい。

このようなMute Violin は、スクロール、ネック、テールピース、ペグなどは、通常のバイオリンと同じものを使って作られていました。胴の部分に共鳴する箱を使わないため、大きな音を出さずに練習できるバイオリンとして作られました。

Wolfgang Amadeus Mozart's father, Leopold (1719-1787), described similar such "practice violins" in his famous violin tutor, A Treatise on the Fundamental Principles of Violin Playing, that was first published in Augsburg in 1756, the year the Wolfgang was born.

ウォルフガング・アマデウス・モーツアルト・・・(あのモーツアルトですが) のお父さんの、レオポルド・モーツアルトは、バイオリニストでした。 既に、あのモーツアルトが生まれる前に、この様なバイオリンを、"practice violins"(練習用バイオリン)として使っていたという事が述べられています。

後でもご紹介しますが、このような逸話は、バイオリンなどを扱う音楽業界の人は、大抵、知っていることです。

Checklist of Violins Made Between 1875-1899 を辿って行くと、裏板をそっくりくり抜いて、音を響かせなくした Mute Violin も紹介されています。 こういうバイオリンは、自作しても面白いと思います。

消音バイオリン・弱音バイオリン

バイオリン製作 今と昔 第三部 ヘロン・アレン著 尾久れも奈 訳 ; 文京楽器製造株式会社 (平成7年10月)

asitwas2.jpg (3656 バイト) 工房ミネハラ では、こちらでご紹介しています

この中にも、上のMute Violin と同じ範疇のものが、下記のように紹介されています。

第5章 バイオリン、その気まぐれと、変種 (P100) に

要は、音を出さないで練習するためのヴァイオリンは、当時としても、色々なトライアルがされていたようです。

この日本語訳の本のオリジナルは、1885年にイギリスで出版された、" Violin Making as it was, and is" です。

 その中では、sordini or mute violins と紹介されています。(P106)

三省堂 コンサイス英英辞典 を引くと、mute は、silent」 「soundless なっています。

研究社 新リトル英和・和英辞典では、mute は、「無言の」「黙音の(silent)」と訳されています。

mute violin は、silent violin と同意語なのです。

念のため、Webster Dictionary, 1913 でも調べて見ましょう。 こちらをクリックして見てください。 

Mute, Silent, Dumb は同じ意味だと言っています。

1885年にイギリスで" Violin Making as it was, and is" が出版された以降、mute violin と言う名称は、silent violin と同じ品質や効能、用途のものとして使われてきました。

"stummen" Violine とは、なにでしょうか

1972年にドイツで出版された、" Das Buch der VIOLINE " 日本語に訳すと 「バイオリンの本」です が、

この中にも、同じような紹介があります。 (P197)

ドイツ語ですが、青い線を引いた部分は、19世紀始め・・・・" stummen Violine " と呼ばれたバイオリンがあったと紹介されています。

stummen は、三省堂ディリーコンサイス独和辞典では、「無言の」「無声の」「発音されない」と訳されています。  これは、silentと同じ事を言います。

ここでも、" stummen Violine " と言う名称は、silent violin と同じ品質や効能、用途のものとして使われてきました。


この本の英語版が、最近、1998年にアメリカで出版されました。" The AMADEUS BOOK OF THE VIOLIN "

(P191)

ここには、19世紀の始め頃、ミュージシャンたちがコンサートツァの時、ホテルの部屋で小さな音で練習するヴァイオリンとして、“silent” violin のニーズが高まった・・・と紹介されています。 また、そのバイオリンは、フレームと指板しかない、上でご紹介した Mute Violin と同じ形であったことも紹介されています。 dumb” violin とも呼ばれていたようです。

ドイツ語を英語に翻訳した人は、" stummen Violine " を、silent violin と翻訳しています。

silent violin については

これは、数年前、アメリカで発行されたものですが、1998年に発行された、Electric Violinと言う文献にも、上記の様なバイオリンのことが述べられています。

(P10)

ここにも、19世紀に、旅するミュージシャン達が、旅先のホテルで練習する時に、このような、小さな音で練習できるヴァイオリン いわゆるsilent violin を愛用していたと言うこと が紹介されています。

エレクトリックバイオリン・エレクトリックチェロ

バイオリンとエレキの合体・・・それも随分古くから色々と試されてきました。 

エレクトロニクス技術が使えるようになったのは、20世紀に入ってからですが、それらは
digitalviolin.com こちらのホームページで詳しく、その歴史が紹介されています。

このホームページを、例えば、MAKERS  Feature#1 と辿って見てください。

George D. BEAUCHAMP Electro String Instrument Co.  LA,  USA  c1935. と言う、最初のエレクトリックバイオリンが紹介されています。

Feature#2 には、Hugo BENIOFF.  California, USA  1938. Electroviolin, Electrocello - "Seismographic fiddle" エレクトリックチェロ  も紹介されています。

最初の エレクトリックチェロ は、1946年のロサンゼルスタイムスに、こんな風に紹介されたとの事です。

Los Angeles Times, Sunday July 7, 1946
Electro Cello Scheduled for Introduction
"Hugo Benioff - California Institute of Technology, scientist, whose electrocello will be played by Stephen De'ak at his Bovard Auditorium, S.C., concert tomorrow night.
The first public performance of the new experimental "electro-cello" will be given by Stephen De'ak, University of Southern California School of Music faculty member, Monday night in Bovard Auditorium.  He will be accompanied at the piano by Margaret Shanklin.
Considered as a new type of instrument with a more uniform timber throughout, deeper and higher tones than those of the conventional cello, it was developed by Dr. Hugo Benioff of the California Institute of Technology after 18 years of research.  "No sound is produced by the strings" explained the inventor "but vibrations actuate electrical current to produce the amplified tones."


a new type of instrument with a more uniform timber throughout・・・(共鳴胴ではなく)全体が一様な木材で出来ている新型楽器・・・エレクトリックチェロ

"No sound is produced by the strings" ・・・ですから、音を出さないチェロ だったようです。

"but vibrations actuate electrical current to produce the amplified tones."・・・(別途記載の)クリスタルの「ピエゾ」を使ったピックアップからの電気信号は、大きな音を作り出している。

これは、今の サイレントチェロ そのものです。

特許にも、それらメーカーのチャレンジの跡を見る事が出来ます。The Vintage Period, 1910s - 1940s を辿って見てください。

 J.J. COMER - UK  13th November 1912. は、バイオリンにマイクロフォン(ピックアップ)を組み込んだもの。

J.COMPTON.  UK 1922-1929 は、バイオリンなどの演奏に、"reverb" effect リバーブ効果(残響音)を付けて、心地好く演奏しようと発明されたもので、今のサイレントバイオリンと同じ コンセプトのものが、既に1920年代 (今から80年も前) に有ったのでした。

更に少し後になると、ギターメーカーとして有名な、Rickenbacker(1935)  や、Fender(1950) などのメーカーもエレクトリックバイオリンの商品化に注力していたことが分かります。


そのほかには、どんな紹介があるでしょうか。

上でご紹介した " Das Buch der VIOLINE " にも、エレクトリックバイオリンの紹介があります。

(P196)

エレクトリックバイオリンの最初の試みは、発明者の名前をとって、 Tiebel-Violine と言われた様です。

ドイツ語ですので、主な言葉を拾って見ましょう。

Holzgestell statt des Korpus (共鳴体に代わって木の枠)  der elektrischen Geige (エレクトリックバイオリン) 

der Korpus uberflussig (共鳴体の無い)  Dicht am Steg sind die Abnahmemagneten (駒に密接したマイクロフォン・・・ピックアップ)

Saitenschwingungen (弦の振動)

ここで紹介されているバイオリンは、上でご紹介した、Mute Violin に、ピックアップが付いたようなバイオリンであったことが分かります。 

Stereophone Geige  (ステレオバイオリン) と呼ばれた・・・と言うことで、随分良い音だったと思います。 1931年に特許がとられたと書かれています。

この本の英語版 " The AMADEUS BOOK OF THE VIOLIN " では、下記のように紹介されています。

(P191)

エレクトリックバイオリン・エレクトリックチェロ なども随分古く、1910-30年代 から・・・私が生まれるよりずっと前・・・色々なメーカーがチャレンジして来たことが分かりました。


日本では、何時ごろから、どのように紹介されたのでしょうか

日本に、Mute Violinは昭和の初期に既に入ってきていたと思いますが、

日本では、昭和41年 (1966年) に、音楽の友社から初版が出版された、「標準音楽辞典」の、ヴァイオリン属 のページで、

(これは、現在発売されているものの装丁です)

上でご紹介しました、様々な 「音の出ないヴァイオリン」(全く音が出ない訳では有りませんが、非常に小さな音しか出ない 、主に練習用のヴァイオリン)

すなわち 、色々な名前で呼ばれていた、Mute Violin は、「音楽辞典」と言う、皆が参考にする書籍で 「無音ヴァイオリン silent violin」 と紹介されました。

これで日本でも、一般的な名前として、定着して行きました。

下記をご覧下さい。

このように記載されています。

現時点で、音楽の友社から発行されている「新訂 標準音楽辞典」でも、 そのまま、ずっと同じように紹介されています。

研究社 新リトル英和・和英辞典では、silent は、「沈黙の」、「無 口の」;「静かな(quiet) と なっています。

要は、
静かで、音が無いヴァイオリン・・・と言うことで、
「無音ヴァイオリン silent violin と呼ばれました。


一緒に紹介されている、梯形ヴァイオリンシャノーの新型ヴァイオリン などに興味のある方は、こちらをご覧下さい。 

バイオリンなどを扱う音楽業界では、こういうヴァイオリンがあった事は、周知です。


ヴィオラ・チェロ系の楽器についてご興味ある方は、下記をご覧下さい。

(株)シンフォニア 発行 チェロの本ー歴史、名曲、名演奏家 (1989年6月第1版)

ヴィオラ・ポンポーザ ヴィオロンチェロ・ピッコロ アルペッジョーネ チェローネ


その後、昭和56年 (1981年) に、平凡社から初版が出版された、「音楽大事典」の、ヴァイオリン のページでも、

Mute Violin は、「無音ヴァイオリン silent v. 」 と紹介されました。 (注; v. は violin の略)

また、それらは、練習用のヴァイオリンとして、現在も使われている・・・とも紹介されました。

Mute Violin すなわち、「無音ヴァイオリン silent violin」 は、過去の遺物では無かったのです。

一緒に紹介されている、サヴァールの台形ヴァイオリンシャノーのヴァイオリン などにご興味ある方は、こちらをご覧下さい。

(株)ヤマハミュージックメディア 発売 「ヴァイオリンを読む本」 にも紹介されていました。

バイオリンなどを扱う音楽業界では、こういうヴァイオリンがあった事は、周知です。


音楽の友社「標準音楽辞典」平凡社「音楽大事典」は、普通の楽器屋さんなら、必ず楽譜などと一緒に、書籍のコーナーで販売していると思います。


今では、こんな風に紹介されています

平成4年(1991年) に、東京音楽 社から楽器業界向けに出版された、「VIOLIN 楽器の事典 ヴァイオリン」では、

(P217)

ここでは、練習用バイオリンである、Mute Violin サイレントヴァイオリンは、同じものだと紹介されています。

すなわち、表板も裏板も無い、共鳴胴のないバイオリン、それは上でご紹介したMute Violin そのものですが、それはMute Violin あるいはサイレントヴァイオリンと言うもので有ったと言うことです。

また、冒頭でご紹介した様に、相当昔からあったもので、レオポルド・モーツアルトのことも、同じように紹介されています。


  皆様 良くご承知のように、ヤマハ(株) のカタログには、サイレント SILENT は、ヤマハ(株) の登録商標 です・・・と書かれています。 この登録商標が公告になったのは、1990年です。 しかし、その翌年の平成4年(1991年) に、東京音楽 社から楽器業界向けに出版された、「VIOLIN 楽器の事典 ヴァイオリン」では、 「サイレント・バイオリンを作っているのは木曽バイオリンだけで・・・後略」と書かれていること、また、サイレントと言う名称が、ヤマハ(株) の登録商標である・・・と言うような事は、一切書かれていません。

 通常、ある会社が、登録商標として使用している名称については、書籍にその名称を掲載する場合は、それを、「・・・の、登録商標」と明記するのが常識です。 しかし、この、「VIOLIN 楽器の事典 ヴァイオリン」には、一切その記述がありません。

 と言う事は、この書籍が出版された当時、あるいは、それ以前に於いて、「サイレント・バイオリン」と言う名称は、楽器業界内、あるいは、その使用者の間で、一般的に使用されていた、所謂「普通名称」である事はまぎれもないと考えられます。


(株)ヤマハミュージックメディア から発売されている、「ヴァイオリンを読む本」 には、下記のように紹介されています。

ヤマハサイレントバイオリンは、上でそのルーツをご紹介したとおり、mute violinエレクトロニクス技術が合体したもので、Mute Violin の一種といえます。

(株)ヤマハミュージックメディア から発売されている、「ヴァイオリンを読む本」 には、このように解説されています。 ごらん下さい。

ヤマハサイレントバイオリンが発売されたのは、平成9年 (1997年) でしたが、日本では、それより、ずっと前から、silent violin サイレントバイオリン と言う 名前は、広く使われていました。

 となりますと、この本の記述には、大変不思議なところが感じられます 

この本の、122ページの書き出しは、「小さな音でヴァイオリンを練習する方法」 です。 この方法について、このページの冒頭から、歴史的背景を含めて、色々な事実をご紹介して来ました。 そのバイオリンは、ミュート・ヴァイオリンと呼ばれ、練習用の物が、古くから有る事も、ご紹介してきました。 このような、表板や裏板の大部分を取り除いた・・・小さな音しか出せないバイオリンは、上でご紹介しましたように、昭和41年 (1966年) に、音楽の友社から初版が出版された、「標準音楽辞典」で、「無音ヴァイオリン silent violin 【称呼】(サイレントバイオリン)と紹介されており、また、昭和56年 (1981年) に、平凡社から初版が出版された、「音楽大事典」では、「無音ヴァイオリン silent v.  【称呼】(サイレントバイオリン)と紹介されていました。 (注; v. は violin の略)

この、(株)ヤマハミュージックメディア から発売されている、「ヴァイオリンを読む本」 は、ヤマハ(株) と無関係の会社ではないと思いますが、ヤマハ(株) は、昭和 50年 (1975年)サイレント 平成5年 (1993年)SILENT を、バイオリンなどの楽器を含め、商標登録出願し ています。

「ヴァイオリンを読む本」 に記載されている、ヤマハのサイレントバイオリンは、紛れもなく、「標準音楽辞典」などで紹介された「無音ヴァイオリン silent violin 【称呼】(サイレントバイオリン)の一つの形であると思うのですが、如何してバイオリンに関して、silent【称呼】(サイレント )と言う呼び名が、「標準音楽辞典」にも載っていたにも拘わらず、後から、商標登録出願でき、また、如何して、それが登録もされてしまったのでしょうか。

ヤマハ(株) は、「ヴァイオリンを読む本」 の中で、ミュート・ヴァイオリンと呼ばれるバイオリン を紹介しているのですから、そういう物が存在していた事は知っていた訳ですが、それが、「無音ヴァイオリン silent violin と呼ばれていた事を、知らな かったのですね。

でも、不思議です。 (株)ヤマハミュージックメディア から発売されている、「ヴァイオリンを読む本」 の最後に、<参考資料>の記載がありますが、そこには、「標準音楽辞典」(音楽の友社 )と、ちゃんと書いてあります。

 不思議です 


皆さん いかがでしたか

音の出ない、夜でも弾けるバイオリン

そのルーツ は、レオポルド・モーツアルト に遡る

”無音ヴァイオリン” silent violin 【称呼】(サイレントバイオリン) だったと言うことが、お分かりいただけたと思います。

小さな音でバイオリンを練習する方法・・・これは、長い歴史と技術の賜物だった事が お分かりいただけた事と思います。

 


 不思議です 

皆様 良くご承知のように、ヤマハ(株) のカタログには、サイレント SILENT は、ヤマハ(株) の登録商標 です・・・と書かれています。  ごらん下さい。

(注) カタログのこの表記は、 2001年当時のものです。

と言う事は、ヤマハ(株) だけが独占して使用できる名称・・・と言うことになってしまったでしょうか。

本来、「音楽辞典」などの専門書に載っている名称は、商標登録出願出来ない筈なのですが、
どう間違ったのか分かりませんが、
サイレント SILENT は、商標登録されしまいました。

 ひとり占めをしてもいいのでしょうか!? 


更に、ヤマハ(株)さんは、

音の出ない、夜でも弾ける

 



"Silent
Violin"
 や サイレント バイオリン と第三者が呼ぶことに対しては、

有効に存する本件商標権の侵害行為だ・・・と言
っておられま した。

平成14年12月6日付けで、ヤマハ(株)さんは、代理人の弁理士を通じて、当工房ミネハラに対して、

有効に存する本件商標権の侵害行為・・なので、サイレントと言う文言を含む商品名の使用中止を通知(警告)してきました。

工房ミネハラでは、即日、使用の中止は致しましたが、

ヤマハ(株)さんに対しては、サイレント"Silent"商標登録された事自身が、間違っていた・・・と反論致しました。

その結果なのかどうかは、全く分かりませんが、


 興味深い事実をご紹介します 

以前、2000年、2001年当時、ヤマハ(株) さんが、雑誌などに広告を載せるとき、

必ず、
サイレント SILENT は、ヤマハ(株) の登録商標 です・・・ あるいは、

サイレント(R) などと、登録商標である旨の記載をしていましたが、

同じ出版社から発行されている雑誌でも、

2003年末ころからは、

登録商標である旨を表示する記載がなくなっている物が見られ

Silent Violin TMSilent Cello TM など、TM (トレードマーク)表示のみになった例 が多く見られます。

TM (トレードマーク)表示 と言う表記なら、商標登録してなくても、自分の商品です・・・と言う位置づけで誰でも使用できます。


ヤマハ(株) の登録商標 第2370175号サイレント 、第3218643号SILENT は、現時点(2005年5月) でも、登録商標として存続していますので、


サイレント SILENT は、ヤマハ(株) の登録商標 です・・・ などと 、カタロクなどに表記 (こちらをご覧下さい) している事は事実ですが、

以前のような、サイレント(R) などの表記は、全く無くなりました。

こちらをご覧下さい こちらもご覧下さい

 Silent  や  SILENT  に (R) の表示をしない理由・・・ 不思議です 


商標法第73条では、

第73条 中略 商標権者、専用使用権者又は通常使用権者は、経済産業省令で定めるところにより、

指定商品若しくは指定商品の包装若しくは指定役務の提供の用に供する物に登録商標を付するとき、

又は指定役務の提供に当たりその提供を受ける者の当該指定役務の提供に係る物に登録商標を付するときは、

その商標にその商標が登録商標である旨の表示(以下「商標登録表示」という。)を付するように
努めなければならない。

となっています。

努めなければならない と言う事であれば、


と、
(R) 表示するのが本来ではないでしょうか。  (注) このイラストは、工房ミネハラ 作成したものです


なぜヤマハ(株) さんのカタログは、、このように、 TM なのでしょうか。


最近では、

ヤマハ(株) さんの、サイレントバイオリン にとても良く似たバイオリンが、街の普通の楽器店などでも販売されています。

商品名は、堂々と、
 **** サイレントバイオリン  などと表示されて販売されています。

ヤマハ(株) さんは、そのような楽器店には、「自社の登録商標を侵害している」 と警告していないのでしょうか。


ヤマハ(株)さんの場合、登録商標 第2370175号サイレント 、第3218643号SILENT は、現時点(2005年5月) でも、登録商標として存続しているのですが、

「音楽辞典」にも載っている  サイレントバイオリン   と言う名称に、(R) 表示するのは、矢張り不自然だ・・・

、言うことでは無いかと・・・工房ミネハラは思います。


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工房ミネハラ
Mineo Harada

Updated:2006/12/4

Updated:2005/10/27

First Updated:2003/3/25